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薪ストーブをDIYで設置 自分でやれば費用は半分

設置費用一式100万円位はかかってしまう薪ストーブ。新築時には色々なコストを抑えなければなりませんから、この金額はなかなか出せなかったりします。

そんな時にはDIYで行きましょう。なるべく安いお店で部材を手に入れれば半額くらいで設置出来ます。楽しみながらお金を節約、DIYバンザイ!

薪ストーブ

煙突の施工方法2種類

代表的な施工方法は水平方向に煙突を出す「壁抜き」と鉛直方向の「屋根抜き」があります。

壁抜き煙突

利点は雨漏りの心配が無い事です。工事も屋根抜きに比べると比較的簡単に出来ますのでDIY向きですね。

壁を貫通しますから、周辺に熱が伝わらないように眼鏡石などの不燃材料が必要になります。

屋根抜き煙突

利点は煙突の引きが良い事です。壁抜きのように水平方向に煙突が伸びると熱が素直に上昇出来ない部分が出来てしまいますが、屋根方向に真っすぐ煙突を延ばせる事で上昇気流を妨げません。

工事は防水工事が必要で、天井と屋根を加工しなければならないので、DIYで設置するにはこちらの方が難易度が高いです。

屋根抜きを採用

とみわみの家では「屋根抜き」を採用しました。自作ですから出来るだけ簡単に済ませたい所ですが、我が家のストーブは二階リビング設置ですから煙突の長さが比較的短いのです。

理屈で言えば煙突は長ければ長いほど気圧の差がありますから引きが強くなります。

壁抜きは熱が横に行く部分が出来てしまいますので、「煙突の引き」にはマイナス要因です。煙突が短い場合は尚更「引き」が悪くなってしまいます。

そんな理由で、煙突の短さは屋根から煙突を出す「屋根だし煙突」を採用し、真っすぐ上に延ばす事でカバーする。と言う具合です。

仕様

ストーブ ピキャンオーブン(PICAN OVEN)

煙突   メトス純正(高木製作所製造品) 断熱二重煙突(溶接タイプ)

煙突長  約4.6m

用意するもの(当時の価格付き)

煙突本体

丸トップ(防鳥)黒耐熱塗装
価格 14880(円) x 1(個) = 14880(円) (税別、送料込)

断熱二重煙突直筒970黒耐熱塗装
価格 11500(円) x 2(個) = 23000(円) (税別、送料込)

断熱二重煙突30°曲り黒耐熱塗装
価格 8500(円) x 2(個) = 17000(円) (税別、送料込)

断熱二重煙突直筒1170黒耐熱塗装ロッキングバンド黒付き
価格 35380(円) x 1(個) = 35380(円) (税込、送料込)

断熱二重煙突直筒470黒耐熱塗装
価格 13300(円) x 1(個) = 13300(円) (税別、送料込)

断熱二重煙突直筒アジャスト黒耐熱塗装
価格 13000(円) x 1(個) = 13000(円) (税別、送料込)


当時購入出来た所(現在は閉店)は今見て見ると買う時期にによって安くなったり高くなったりで煙突の値段なんて有って無い様なものだったのですね。。何故970mmの煙突が1170mmの1/3の値段なのかナゾです。

現在、私たちのような素人が入手出来る値段的に「現実的な煙突」はホンマ製しか無いようです。しかし、無駄に高い高木製作所(metos)やアンデルセンの煙突を採用するメリットはほぼ無いと思います。

性能だけで言えばホンマ製作所の溶接二重断熱煙突で十分です。

現在(2018/1/19)のネット価格は以下の通りです。1000Lと500L、細く刻む場合は150Lを組み合わせてお好みの長さにします。微調整はストーブ直上のスライド煙突で調整します。

二重断熱煙突(溶接二重煙突)本体1000mm

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱 直筒1000L φ150mm 501113006

価格:21,800円
(2018/1/19 12:10時点)
感想(2件)

二重断熱煙突(溶接二重煙突)本体500mm

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱 直筒500L φ150mm 501113005

価格:15,800円
(2018/1/19 12:33時点)
感想(0件)

二重断熱煙突(溶接二重煙突)本体150mm

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱 スライド φ150mm 501113008

価格:18,450円
(2018/1/19 13:29時点)
感想(0件)

二重断熱スライド煙突(最終の微調整用)

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱 スライド φ150mm 501113008

価格:18,450円
(2018/1/19 13:01時点)
感想(0件)


角度を付けたい場合はそれぞれのエルボーを使って構成すれば良いと思います。

45度エルボ

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱 曲45度 φ150mm 501113012

価格:15,598円
(2018/1/19 15:20時点)
感想(0件)


30度エルボ

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱 曲30度 φ150mm 501113078

価格:14,800円
(2018/1/19 13:04時点)
感想(0件)


ちなみにハゼ折り二重煙突よりも溶接断熱煙突が断然オススメです。耐久性や各部の精度が全然違います。

さらに簡単に着脱出来ますからオフシーズンは煙突を短くして台風の季節をやり過ごしたり、住宅街などで使用していて、もうちょっと煙突の高さを延ばしたい時、など煙突長の変更が簡単に出来ます。

太さも150mmと120mmがありますが、もちろん太い方が「煙突の引き」という点では有利です。値段も大して変わりませんのでここは150mmを選択すべきかと思います。

支持金物

ルーフサポート
価格 10627(円) x 1(個) = 10627(円) (税込、送料込)

フラッシング

5-15度用 煙突フラッシング 56000円

ストームカラー

ストームカラー黒耐熱塗装

価格 8880(円) x 1(個) = 8880(円) (税別、送料込)

針金

ホームセンターで購入。

化粧板

天井化粧板3寸〜6寸用(二分割)黒耐熱塗装
価格 8180(円) x 1(個) = 8180(円) (税別、送料込)

ロッキングバンド

ロッキングバンド黒耐熱塗装
価格 2600(円) x 6(個) = 15600(円) (税込、送料込)


煙突本体の外には煙突トップ、ロッキングバンド(煙突同士の固定用)、ルーフサポート、フラッシングが必要です。

煙突トップの形状はお好みですがホンマからは以下のような商品が出ています。

我が家のトップと同様なものがこちらです。

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 ステンレス スーパーハイトップ φ150mm 14071

価格:22,980円
(2018/1/19 13:07時点)
感想(0件)


風の向きに応じてクルクルと回転して風が直接煙突内に入らない(逆風防止)機能付のトップも有るんですね。これはアイディアものですが、しっかりと引っ張る煙突であれば逆風で吹き込むなんてあり得ないと思います(汗)

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 二重断熱煙突用 ウエザートップ φ150mm X0312

価格:26,800円
(2018/1/19 13:09時点)
感想(0件)

 ロッキングバンドは煙突の本数と同じ数だけあれば足りると思います。一本が結構しますので、足りない場合は再注文で(;^ω^A

ちなみに煙突本体に付属の場合もありますので、ご確認を。

HONMA ホンマ製作所 溶接煙突(二重煙突) 黒耐熱 クランプバンド φ150mm 501113020

価格:1,399円
(2018/1/19 13:16時点)
感想(0件)


煙突を屋根から吊る場合はこれを使います。

HONMA ホンマ製作所 フラッシング用ステンレス固定金具 φ200mm用 X0171

価格:10,980円
(2018/1/19 13:18時点)
感想(0件)

フラッシングは私もホンマ製を使用しています。なんの不具合もありませんが、ただのスポット溶接で出来た板金ものですからその気になれば自作可能です。

といいますか、現物の作りを見た後だと売価が高価すぎですね。これをボッタクリと言わずなんと言いましょう。。。作る暇が無い方はどぞ。

HONMA ホンマ製作所 黒 ステンレス フラッシング(コロニアル屋根、シングル屋根用) 勾配15~30°φ200mm用(ストームカラー付) 18009 【〇】

価格:56,700円
(2018/1/19 13:21時点)
感想(0件)

ストーブ本体

PICAN BAKERS OVEN  税込み送料込み 290000円

煙突部材で22万円ほど、ストーブ本体29万円。合計で51万円もしました。。

ほぼ思っていた値段だったもののかなり高額です。ストーブ本体はもっとお安いものもあるのですが、ここは趣味ですからしかたありません。煙突は流通している中でも最高級品ですから納得するとしましょう。。

図面ワーク

建築基準法から見る各部の寸法

煙突離隔距離

煙突表面から可燃物まで150mm以上

煙突の突出長

屋根面よりも60cm以上出す事。煙突の周り1m以内に建物の構造物がある場合はその最高位よりもさらに60cm以上出す事。

不燃材で作る

屋内(壁の中、または屋根裏)の煙突が通る部位は燃えない材料である事。

以上、この三つを守っておけば法律上は問題ありません。ストーブを置く炉台にも規定がありますが、それは別項でご説明します

図面から煙突の本数を求める

プロがどうやって必要本数を求めるのかさっぱり分からないんですが、私は図面に書いてみて、単純に必要本数を並べて求めました。

ストーブ直上に真っすぐ煙突を立てると西側から合流する別の棟と接近し過ぎる事が分かりましたので、30度エルボ煙突を使って30cmほどオフセットさせています。

こんな事すると益々ややこしくなるのですが、大体の必要本数は分かりました。

entotu1

施工編

煙突道の施工

厚さ6mmのケイカル板を内側に貼り、煙突道の有効内径500mmを確保します。煙突径が200mmなので煙突〜壁の距離は150mm。法律で定められた距離になります。

仮に煙突が150mmの外径でしたら、有効450mmでも足りる計算になります。

屋根の防水(板金屋根の場合)

屋根は既に出来上がっている屋根を四角くくり貫いて煙突を出します。

恐らく、一般的には下のような納まりになると思います。

四角く穴が開いた部分の板金を立ち上げて立ち上がりに沿う様に木枠を作ります。雨の進入を防ぐためにもう1枚防水シートをかけて板金屋根とルーフィングの間に滑り込ませます。

屋根の水の流れ

立ち上がりの木枠より一回り大きく板金で作ったカバーをかけて留め、そのカバーにフラッシングを留めます。。

フラッシング納まり

私の場合は壁からの水切りがフラッシング端部に比較的近かったので実際の施工は下図のようにしました。

屋根水切りの下に防水用の「捨て板」をはさんでフラッシングと屋根水切りの水の流れを連続させます。

ちなみに下の絵の「カバー」や「捨て板」は板金屋さんに作って頂きました。

屋根水切り

フラッシング施工

フラッシング1枚ではいささか心もとないので、このような方法をとりましたが、そのお陰か雨漏りは全くありません。(二年経った現在のところ)

2018/1/11追記

3年経ちましたが今だ好調に防水しているようです。ヨカッタ。

2020/3/4追記

5年経過しましたがまだまだノートラブルです。ヨカッタ!

煙突の設置

煙突サポート

煙突はルーフサポートで屋根面から吊っています。これだけだとグラグラしますから、ルーフサポートから下がった所で針金をかけて3方向に引っ張っておきます。

針金の方が微調整が効くので垂直を出しやすくてなかなかよろしいです。

本体の位置出し

本体の設置位置は平面図から実際の場所を求めれば良いのですが、実際に施工した煙突が図面ぴったりの位置に来ているとは限らないので、ここでは設置した煙突から基準を出します。

煙突のセンターから下げ振りを垂らして、床に煙突の中心を書き取ります。

30度エルボーと470mmの煙突を使うと煙突中心が31cmズレた位置に来るはずですから、書き取った中心点から31cmの半径の円弧を床に描きます。

ストーブの本体寸法と煙突位置を大きめの紙に実寸で書き、先ほど書いた円弧が紙に書いた煙突の中心に来るように紙を配置します。

紙の四隅をマスキングテープでマークして、ストーブ搬入時の目安とします。

搬入〜完成

ストーブ自体の大きさはさほどではありませんでしたが、重さは600リッターの冷蔵庫と同じくらいの120kgですから、搬入には注意が必要です。

本来ならば、まだサッシなどが付いていない建て方ホヤホヤの時期にユニックなどの重機で下げ込むのですが、もう出来上がって住んでしまってからの搬入ですから大変です。

搬入場所は2階のリビング。120kgは一人では不可能ですから友人に手伝ってもらいます。

階段の上部に仮設の梁をかけ、チェーンブロックでつり下げて階段を1段上がり、またつり下げて1段上がるを繰り返し、なんとか上がりました。

マスキングテープでマークした設置位置にピッタリと置き、最後のアジャスト煙突をはめ込んで完成です。

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COMMENTS

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    ミヤザキ 2年 ago

    前回のコメントが中途半端ですみません(汗)
    私は現在富山県高岡市で、セルフビルドを計画中でして、
    薪ストーブ設置や使用法についていつも参考にさせて頂いております。
    私もピキャンオーブンを導入したいと思っており、
    煙突の本数を図面から割り付けをしているのですが、
    本体と煙突の接続方法が今一つ分かりません。
    本体上面に25㎜の立ち上がりがありますが、
    そこ二重煙突を差し込む形となるのでしょうか?
    であるならば、煙突は本体上面からの割り付けとなるのでしょうか?

    • comment-avatar

      ミヤザキさんあらためまして初めまして!コメントありがとう御座います。
      セルフビルド計画中とのことで応援させて頂きます!
      本体と煙突の接続ですがこれ私も悩みました。販売元にも質問したくらいです。

      話を聞くと本体との接続はシングルとダブルの変換アダプターのような煙突で接続した後、ダブルのアジャスト煙突で接続する方法が1つ。
      ダブルのアジャスト煙突を直接接続する方法がもう一つです。
      私が購入したのはアジャスト煙突だけでしたから、後者の直接接続する方法でした。

      買ってから気が付いたんですが、私の購入したダブルのアジャスト煙突は二重になっている構造なのは当然なのですが、アジャストで伸び縮みするのは外側のみで内側のパイプは伸び縮みしませんでした。
      これだと見た目はストーブの25mm立ち上がりにかぶりますので接続されているように見えますが、内側のパイプは25mmの立ち上がりに接触出来ません。
      煙突掃除の時に取り外す必要もありますからぴったりに設置する事も出来ませんから、内側のパイプは実質1cmくらいの隙間が空いてしまう事になります。

      販売店に聞くとそれで大丈夫との事だったのですが、個人的に不安に感じたので内側パイプの外側にはまる5cmくらいのパイプを自作して内側も伸び縮み出来るようにして、本体の25mm立ち上がりにかぶせて隙間を無くしました。

      割り付けはアジャストを目一杯延ばした状態の長さで本体上面から割り付けにしたと思います。

      文字だけで分かりにくいかと思いますが、私はそのような方法で接続しました。分からない事があれば遠慮無く追加質問でお願いしますね。
      それでは頑張って下さいー!

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    初めまして。

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    ハロウニ 7年 ago

    大変参考になります!
    わたしも真似してDIYで薪ストーブ設置しようと思うのですが、煙突はどこで調達されたのですか?とっても安価だと思いました。ぜひおしえてください!

    • comment-avatar
      ポプシクル 7年 ago

      ハロウニさん初めまして!
      ご質問ありがとう御座います。こちらに載せている単価は4年ほど前のもので、煙突部品が現在どの位の値段なのか全く分からないので安いんでしょうか?
      当時の購入先は楽天にあった「ファイアーストーブ」というお店でした。
      一式購入したのですが、不足部品もありまして追加注文を入れた時にはお店が無くなってしまったようで再度購入出来ませんでした。
      検索してみましたが、やはり見当たらなかったので現在も営業はしていないのでしょうかね?よく分かりません。。

      お役に立てず申し訳ありません。DIYでの設置は楽しみながらでも出来ると思いますので是非チャレンジしてみて下さいね!

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