ポプシクルの冷蔵庫

ウェイトディストリビューションヒッチ考察2

前回はウェイトディストリビューション(WD)っていいな、でも車体側は大変そうだな。で終わりましたが今回は更に「実用的な効果が期待されます!」みたいな希望的観測に基づき、ねちっこく考察してみようかと思います。

国土の70%近くが森林の日本に住んでいますから、頻繁に山道を通ります。ワインディングロードがスキ♡な訳では無く、目的地がクネクネ道の先にあるので必然的に山道を通らなければなりません。スポーツカーに乗っている訳でも無いので基本的に山道はキライです。田舎の山道は特にボコボコの路面状態を常に維持していますので多分スポーツカーに乗ったとしても全然楽しくないような道です。

そんな山道でトレーラーなんてモノを牽引走行すれば、牽引装置であるヒッチ周りがガタガタと、あるいは「ガッシャ〜〜〜ン!!!!」と凄い音を立てるから大っ嫌いなのです。

ヒッチ周りのガタゴト音と車体の揺れ

ヒッチのガタ

そこで素朴な疑問が湧きます。何故にあんなに堅固に見える牽引装置からガタガタゴトゴト音が出るのか?

原因は単純です。ヒッチレシーバーとヒッチ本体、ヒッチボールヒッチカプラー、各部の「はめあい」がものすごーく緩いからです。

写真のように上下に動きます。測って見ると14mmもありました。。もうガッタガタであります。

ピッチングによる揺れ

原因はもう一つ、連結状態にあるトレーラーと牽引車の姿勢変化によるピッチング(上下の揺れ)です。

下はお抱えの画伯による4コママンガです。

 

上から「①段差前」、「②ヘッド車前輪」、「③ヘッド車後輪」、「④トレーラー輪」の段差通過時の姿勢です。

注目すべきは連結部分でして、②③④の順に連結部分は「上げて下げて上げる」様な動きをします。絵にしてみて初めて分かったのですが(汗)実際に運転している状態を思い起こせば確かに道路の段差毎、この様な不愉快な「揺れ」を感じます。

凹凸の激しい道路だとこの揺れが連続して起こるのでかなり疲れます。。

上記のような「段差による姿勢変化」+「ゆるゆるのはめあい」により山道のヒッチ周りは常に”最上段からのかかと落とし”と”最下段からの金的攻撃”を交互に受け続けています。

路面状況によっては「かかと落とし」と「金的」を同時に食らう事もあり、男として、、あまりにも痛々しく、その際の衝撃音が「あぉぅっ!」とか「はぅっ!」等の擬人化された音として聞こえてくるほどに、オーナーである運転手の心に切実に訴えかけ、心底、我が愛車が気の毒になってしまうのです。

こんな調子で道路状態で発生したピッチングとガタガタのヒッチの相乗効果により、連結装置周りで盛大な音を立てます(^^;)

揺れを軽減する?WD

さて、ここからが本題、WDを取り付けた連結部分は段差を通過する時にどんな動き方をするのか?です。これまたざっくりとした前提ですが、条件は以下の通り。

ヒッチ荷重 100kg

WDによる重量配分(2:3)  トレーラー(40kg):ヘッド車(60kg)

WDを100%、つまりヘッド車後輪(HR)に掛かっていた荷重を全てトレーラー車軸(TA)とヘッド車前輪(HF)に振り分けた場合の荷重の推移をそれぞれの車輪に記載しました。

①平常時でTAが40kg、HFが60kgそれぞれプラスです。

②の状態でHFが段差に落ちると連結部分は「への字」に折れます。これはWDの効果が全く無くなる事と同じですからHFとTAに掛かっていた荷重はHRに全て戻ってきます。

③の状態になると連結部分は「逆への字」になりますから、WDの効果は増します。ここでは単純に2倍として-100、つまり平常時より連結部分が持ち上がった状態と仮定してあります。するとHFとTAの荷重も2倍になりますからヘッド車のフロントとトレーラーのリアが押さえつけられる格好になります。

④でトレーラーのリアが段差に落ちるとまた「ヘの字」になりWDの効果0。HRに100kg荷重となり①に戻ります。

静止状態の比較で加速度は無視していますから一概には言えませんが、WD無しの場合「上げて下げてあげる」でしたが、WDを付けると「下げて上げて下げる」全くの逆の動きになるんですね。これはそのまま疑似ショックアブゾーバーになりそうです。

ここまで極端では無いにしても、それなりの働きをするんじゃないかなぁといった希望的観測w

さて、俄然試してみたくなってきましたWDですが、根本的な仕組みは同一ですが、知る限りでは数社から製品として販売されています。次回はその辺をさらっとご紹介します。

今回はこの辺でお終いです。ありがとう御座いました。