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セルフビルド〜避けては通れない建築資金の話 

 建築に一番必要なもの

セルフビルドで建築を行う時に一番大事なものはなんでしょうか?

「何でも自分で作れる器用さ?」

確かにこれはあると良いですが、やっているうちに上手くなっちゃうので重要ではありません。

「何かを成し遂げようとする根性?不屈の持続力?」

根性うんぬんもどっちでもいいですね。気長にゆっくりやれば誰にでも出来ます。

それでは何が必要なのか?

 

それは単刀直入に言ってしまえば「お金」なのです。

 

夢も希望もありませんが、ある程度のまとまった「お金」がある事がセルフビルドの大前提。

小屋レベルでは無く「住居」として自分で建築する時は上下水道設備、電気、ガスは最低必要ですし内外装もキレイに仕上げたいですよね?

ある程度のお金とは建築物の規模にもよりますが、最低500〜800万は必要になります。

これは家だけの最低価格で、駐車場や外構も整備したくなって来ますから大変です。いくら自分で作るとは言っても材料費だけでもかなりの金額になってしまいます。

生活のために蓄えてある貯蓄以外で自由に使える貯蓄が800万円ありますか?

私には全くそんな余裕はありませんでした。どこをひっくり返してもそんな余裕は出てきません!

 

家を建てるタイミング

何事にも適期というものがございまして、家にもこれは当てはまると思います。

私の場合は子供の数ももうこれ以上はムリっ!となった家族構成確定の時期が建築期でした。

新しく家を建てたら子供たちが巣立つ間は大好きな家で「家族」で暮らしたい。そんな考えがありましたから、出来るだけ早くに建てないと子供部屋作った時には子供たちは大人になっていた!という事にも成りかねませんっ。。

この例とは逆に子供たちが巣立つまでは我慢して、ある程度の金額まで貯金して老後の楽しみに。というのもあると思います。

この場合はお金の心配はほぼ無いでしょうから、安心してゆっくりと建築出来ますね。

どのタイミングで建てるにしても、セルフビルドで家を建てる場合はそのタイミングでどのくらいの自己資金があるか?がとりわけ重要になってきます。

建築資金を用意する

メーカー、工務店で建てる場合

セルフビルドでは無く、普通に工務店やハウスメーカーに家を作ってもらう場合は建築資金はどうやって用意するのでしょう?

例えば2000万円の住宅を購入するとして、1割の200万円を頭金として入れると1800万円は借り入れなければなりませんね。

銀行で住宅ローンを組んで借り入れてお終い。借りるのは実に簡単ですね。返すのは大変なんですが。。

借り入れる時には工務店の見積もり書や工事請負契約書など、各種書類が必要になりますがこれは工務店が用意してくれるので、借り入れる金額に比べると拍子抜けするほど労せずに大金を借りる事が出来ます。おそろしや。

セルフビルドの場合

例えば800万の自作の家を建てるとして、それ以上の資金がある方は全く問題なしですね。では足りない場合はどうするか。同じように銀行で借りようとしても工事全体の見積もりも、工事請負契約書等なにも用意出来ないセルフビルドでは借りる事が出来ないのです。

つまり、なんとか自力でお金の工面をするか、セルフビルドを諦めるかしかないのです。

 

セルフビルドで銀行から融資が受けられるか?

と言う訳で結論から言ってしまうと、セルフビルドで建築を行う場合は銀行などの金融機関から融資を受ける事は出来ません。

借り入れに絶対必要な工事契約書や見積書が無いからです。

それら書類が無いと言うことはその建物が金額換算で「いくら位の価値があるのか?」が分かりません。

ここからは想像でしか無いのですが(実際に銀行からは前例も無いので答えられないと返答されましたので)、融資を受け建築された建物自体の価値がわからない訳で、完成時に付けられる「抵当権」など、融資には付き物の権利関係の設定が曖昧になってしまうのではないかと思うからです。

土地などを持っていてそれを担保に。。と思いましたが、やはりそれもダメで門前払い。

建物の融資には兎にも角にも工務店やメーカーによる見積書や工事請負契約書などの書類が必要でした。

解決方法

上記の事柄からしまして、資金を充分持っている方しかセルフビルドでの建築が出来ない事になります。

では私はお金が充分にあったかと言えば否。実際ちょっとしかありませんでした。。

建築するにはどうしても金融機関から融資を受けなければなりません。どうしよう。。

答えは簡単でした。

工務店に一部の工事を請け負って頂ければよいのです。

工務店が工事関わると言う事は金融機関にとってなによりの確実な「担保」になるのです。その詳細な見積もり内容は、銀行にとってはまぁ二の次の様です。

銀行にとって重要なのは概算でどのくらいのお金がかかった建築物であるか?の様でした。

段取り良く建築資金を融資頂いたらば、全ての資材は工務店経由で仕入れて工事を進めます。もちろん工務店には一人では困難な作業を委託出来ますから、作業上の危険個所も相当減ります。

資金は必要なだけ確実に確保出来ますから(こんなに心強い事はありません)、途中で工事が滞る事もありません。

 

私の「とみわみの家」はこの方式で、途中から工務店に入って頂きまして、作業を分担、入居可能なぎりぎりの状態までを「完成の状態」として資金を借り入れる事が出来ました。

まとめ

建築中の各建築部位の分担等、工務店との分業方法の詳細はスペースが足りないのでまたの機会としますが、このように建築期に資金が無かった私のような一般人でも工務店と部分的に工事委託、請負契約をする事で「自分の家」が制作可能です。

セルフビルドに入る時に、一番分からなかったのがこの建築資金の調達方法でした。

子育てしてるとお金が必要です。建築中はそれにも増して一気にお金が必要で苦労する部分ですが、住宅ローンを組める事で至って普通に夢を実現出来ます。

自作建築を志す方の参考になれば幸いです!