ポプシクルの冷蔵庫

ウェイトディストリビューションヒッチ考察3

まだまだ行くぜっ!ウェイトディストリビューションヒッチ考察3回目であります。

そう言えば前回の希望的観測に基づくメリットを挙げましたが、デメリットを挙げる事を忘れていましたので、今回はそちらからです。

WDのデメリット

森羅万象、良い事もあれば悪い事もあるわけで御座いまして、WDにもあまり都合の宜しくない事もあります。早速ですが、恒例ヘタッピーなお絵描きを用いましてご説明。かなり大袈裟に書いてありますが(笑)ご了承ください。

左側は連結された車両を真上から見た絵。右はヘッド車を後方から見た絵です。

WDヒッチは構造的にトレーラー進行方向に向って直上にあるタイヤにしか重量の分配が出来ません。ちなみに赤三角が大雑把なWDの作用範囲です。

WDの仕組みは単純なテコの原理です。ヒッチ周りの荷重をテコの原理で持ち上げて前後に振り分けるのですが、力の支点が「左右に回転する事が出来る」為、ヘッド車が旋回して方向が変わっても作用する力は前方に固定されていますから、結果的に荷重が掛かる場所がずれてしまいます。

直進状態のWDは、真っすぐ進行方向にヒッチレシーバーを捻る事で前輪に荷重を掛けています。ヘッド車が旋回し始めて角度が付くと、WDの捻る力はヘッド車の曲がる方向と反対側に寄っていきます。その結果、右旋回時には左リア側に、左旋回時には右リア側に「フレームを横方向に捻る」力に変わります。フロント両輪に掛かっていた荷重は左右旋回方向と逆のリアタイヤに偏ります。

更に極端に例えれば、直角近く角度が付くとヘッド車はトレーラー側からひっくり返されるような方向で力が掛かります。(ひっくり返る事は有り得ませんがw)

車と車を繋ぐ道具ですから左右に自由にならないと曲がる事が出来ません。これは仕方が無いのですが、山道のようなヘアピンカーブが連続するような場合はフレームが捻られ、戻り、また捻られを繰り返されますから、クネクネ道路をよく通る私からするとちょっと心配になります。

海外のWD情報を漁っていると押し並べて「安定度が増す」「ショックが減る」に併せて「ハンドリングが向上する」事も長所として挙げられています。

ハンドリングが良くなるというのはこの場合「フロントサスペンションのキャスター角の適正化」に他ならないのですが(キャスター角については過去にこちらでちょっと触れました)、ハンドリングが良くなると言うよりも安定性が増すと言った方が良いかも知れません。上記の通りWDの特性上、コーナリング性能が上がる事は無く、旋回角度に因りますがむしろコーナリングには悪影響すらあります。ここは注意した方が良いと思います。

そんなわけでつらつらとWDをディスってみましたが、WDの安全性は歴史が証明してくれておりますので(^^;)全く心配の必要も無いかも知れませんが、一知識として知っておいた方が良いかもです。

まぁ冷静になって考えればこの短所が顔出すようなタイトコーナーはかなり低速で走っていますから、ハンドリングどうこうなんてぜんっぜん関係無く、むしろ高速道路のレーンチェンジ等ではかなり有利に働くはずと思いますから、ここまで辛抱強くお読み頂いた皆様、全部忘れて下さいごめんさい(笑)

ウェイトディストリビューションヒッチの種類

さて、この様に困った面もあるWDですが、享受出来るメリットはかなりありそうですし、脳内でグダグダ悩んでいても仕方ありませんので前向きに装備を検討します。

最近のWD製品を調べてみると、細い違いこそあれ、スタイル自体は昔から変わりありません。ちなみにこの辺りの商品はUSアマゾンから送ってもらえば国内で買うよりも2~3万円お安いです。

ラウンドバータイプ

代表的な所はやはり、ヒッチ+ラウンドスプリングバー+チェーンのタイプ。価格もお安くてカシータ辺りのライトウェイトトレーラーには充分です。

Curt 17062?MV Round Bar Weight Distribution Hitchキット

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連結&解除の度にスプリングバーを着脱するわけですが、ラウンドバーはちょっとやり難いらしいです。

Trunnion(トラニオン)タイプ

上記の使い勝手を改善したのがTrunnionバー装備のWD。バーの付け根がより強化されていますのでよりヘビーなトレーラーにも対応だそうです。

Curt 17322?Short Trunnion Bar Weight Distribution Hitchキット

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スプリングバーのセットは「捻ってはめる」だけ。簡単に着脱出来るとの謳い文句です。

ハイブリッド

勝手にハイブリッドと命名しましたが(汗)WDにアンチスウェイ機能を融合!みたいな変わり種が最近の人気みたいです。

私も長時間の牽引時にはアンチスウェイだけ現在も取り付けていますが、これが必要ないのはとても魅力的です。手間的に。面倒くさがりやも末期症状です。

アンデルセンやEAZ-LIFTのトレッカー等がそれですね。下はトレッカーの紹介動画ですが、スプリングバーの付け根にブレーキ機構が付いてます。一定角以上はブレーキの自動解除もしてくれます。

登場人物の味のある表情が見ごたえ有りw

先日kashaさんに教えて頂いたCasitaのFacebookではアンデルセンの使用率かなり高めです。

アンデルセンはスプリングバーは無く、チェーンのみ。引っ張って持ち上げる方式ですね。特筆すべきはヒッチボールの回転センターと同一軸にチェーンがマウントされますのでヒッチボール周りがかなり省スペースに設計されています。チェーンの先にはウレタンブッシュが仕込まれており、ここでショックをある程度減衰出来る模様。

ただ、チェーン張るのがレンチ使っていたりして設置毎の作業がちょっと面倒くさそう。

さて、WDも各社色々な特徴がある商品で迷いますが、正直申し上げましてカシータの様なライトウェイトトレーラーであれば、一番小さく軽量でお安い!みたいなWDで充分かと思います。

私としては安いお品を選択したいところですが、、、。結果はまた次回です

ありがとう御座いました!