いつの時代も建築物の組立日「建て前」は一大イベント。施主にとっては大喜びの瞬間です。
今回は、前回加工した材木の組立です。基礎しかなかった風景がその日のうちに建築物っぽく立ち上がる様は木造の醍醐味。実に楽しい、やってて良かった!瞬間なのです。
自転車置き場なんて小さい物ですが、建築の面白さは物の大小を問いません。すぐに終わってしまうので、じっくり楽しみましょう!
土台の据え付け
まずは基礎に土台を据え付けます。アンカーボルトがぴょこぴょこと生えているので、そこにぴったりと収まる「穴」を開けます。
アンカーボルトの位置は必ず中心線から測るようにするのですが、中心付近に鎮座するアンカーが邪魔で中心線が書けません。なので、20mmほど外側にズラした位置に中心線を書き、その線に定規の20mmを合わせてアンカーの位置を読み取ります。
下の写真では7mmほど外側に寄っていますね。
これをそのまま土台に写して、ぐるっと墨を回して反対面に穴の位置を書きます。
穴開け後、土台を乗せてアンカーボルトの頭を叩いて穴の中に覗かせます。
全部が穴にかかると「スコーン!」と気持ちよく落下して設置完了。楽し過ぎます!
柱を立て、梁をかける
柱は穴にホゾを入れてぐりぐり揺らすと根元まで入ります。2分で終了してしまい、写真を撮るの忘れた。。
垂木がかかる部分の勾配を付ける
屋根の下地である「垂木」がかかる梁を「桁(けた)」と言います。斜めに垂木がかかるのでピッタリと乗るように傾斜を付けておきたいので、この道具で勾配を写し取ります。
現物合わせでものを作る時はこの角度定規が大活躍です。ちなみに今回はパソコンのCADで角度を表示させて定規に合わせました。
丸ノコの刃を調整して切断します。
垂木を乗せてみた所。ほぼ図面通りに出来ている様子。
羽子板ボルトの穴加工
直交する梁と桁は羽子板ボルトで補強しますのであらかじめ穴加工をしておきます。外部はナット留めになりますから座繰っておきました。
垂木をかける
水上側の垂木を全てタルキック、パネリード等の長ビスで留めます。ビスのみで留まっている+スパン長めですので間隔は尺(303)ピッチです。
クランプでしっかりと挟み込んで留めます。
全体の転びを見る
水上側の垂木が留まったら水下側の垂木ですが入り口の一本目で垂直を取ります。
下げ振りを下げて、垂直に調整した所でクランプで挟んでビス留めです。
これだけで押しても引いてもビクともしなくなります。筋交いの効果は偉大ですね。
垂木がX方向だとしたらY方向はフレームの外側に仮の筋交いを打ちます。
下穴を開けておいた垂木を順次留めていきます。直接上に乗って体重を掛けて留めます。
養生をして完成
今夜から雨模様でしたので養生をしてお終い。
おわりに
こんな小さな作り物も、木で作る醍醐味を味わえました。早速自転車を停めてたり、垂木にぶら下がったり、ぼーっと中でたたずんだりして楽しみます。
防水シートだけの仮設の壁ですが、目隠しがあるだけで実に落ち着くのです。遮蔽物バンザイ!アモーレ自転車置き場!
と言う訳で次回の屋根編へ続きます。ありがとう御座いました。