ポプシクルの冷蔵庫

ピキャンオーブン Pecan Baker’s Ovenの私的レビュー

Pecan Baker’s Oven(ピキャン ベーカーズオーブン)

私はオーストラリアのNECTER社が製造しているPecan Baker’s Oven(以降ピキャンオーブン)を使っています。

鋼板製の薪ストーブで、調理用のストーブトップ(天板)があり、専用の調理用オーブンを火炉とは別に備えているものは薪ストーブ界広しと言えどもピキャンオーブンくらいです。この暖か楽しい暖房道具をご紹介です!

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薪ストーブ・ピキャン社BAKERSOVEN(ベイカーズオーブン)鋼板製

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クックオーブンとしての薪ストーブ

薪ストーブは暖房の役割が主ですが、室内で炎を楽しむ、料理を楽しむ等の遊びの部分も重視していました。

オーブンを火炉と別に用意されていないような通常の薪ストーブをオーブンとして使う場合、火炉内にロストル(鉄格子)を入れて、それを調理台として使用します。

火室と調理(オーブン)スペースが同一のこの方法だと、灰の問題や薪の追加タイミング、炉内の汚れなど、気にしなければいけない事が増えるのですが、オーブンが独立していればどんなタイミングでも汚れもさほど気にする事もなく調理が楽しめます。

さらに天板には蓋が備えられていて、取り外す事で鍋などを直火にかけて調理する事も出来ます。

オーブン内ではパンを焼きながら、天板で煮込み料理ということも同時に可能です。

 

購入前の口コミ

購入前に調べてみると、鋳鉄製の薪ストーブと比べて「熱しやすく冷めやすい」という欠点や「それほど暖かくならない」などの情報がありました。

実際に所有してみて私の環境では購入をためらうような欠点ではありませんでした。

私の住む静岡のような一日中、薪ストーブを焚く必要が無い温暖な地域にはピキャンオーブンで充分暖かです。

小さい薪ストーブですが、35畳ほどの部屋は無理なく暖まるくらいですから私の住む地域ではこれ以上の能力の薪ストーブはむしろ大き過ぎるのでは?とさえ感じます。

ネット上の口コミやレビューが間違っている訳ではありませんが、薪ストーブのような「使用する環境」で印象がかなり違ってくる設備の場合は情報の受け取り方には注意が必要と思います。

豪雪地域と温暖な地域では、同じ機材だとしてもそれぞれの使用感は違ってきて当然ですから、そのあたり事も考慮に入れた機種選定が吉です。

鋼板製薪ストーブの特徴

鋳鉄製の薪ストーブと比べて非常にタフな所も気に入っています。

最高使用温度がやや低い(300〜350度)鋳鉄製の薪ストーブに比べて、鋼板製の薪ストーブであるピキャンオーブンは380〜420度くらいで焚き続けても全く問題ありません。

この位の温度で運転出来ると煙突からの煙は全く目視出来ませんから、煙や臭いを気にする住宅街では鋼板製ストーブが適しているのでは?とも思います。

 

火炉の大きさ

ピキャンオーブンの欠点は火炉が小さい事ですね。通常のストーブに比べると入る薪はかなり小さいものになります。大型の薪ストーブは45cmほどの長さの薪も入りますがピキャンオーブンは33cmがぎりぎりです。私は30cm位の短めに玉切りしています。

薪が小さいので燃焼時間も短く、焚いている時は忙しいのですが、これも趣味ですから特に苦にはなりません。この部分は人それぞれでしょうね。

追記 燃料を広葉樹の薪に切替えてからこの辺りの使用感はかなり変わりました。こちらも併せてどうぞ。

 

操作箇所

ダンパー

他の薪ストーブと同じダンパーが天板右奥にあります。レバーを上げるとダンパー開(排気が煙突に直接流れる)、下げると閉(本体を循環した後煙突に流れる)です。

エアコントロール

扉に付いているねじ式の空気流入口を操作します。ねじ式ですからねじ込めば閉になります。

二次空気取り入れ口(プリセット)

扉上部に本体との隙間が空いています。その隙間から入る空気を遮へい板で隙間を調整出来るようになっていますが、押しネジで固定するので設置時に調整しておくだけです。

私はエアコントロールをぎりぎりまで絞った状態でも二次空気取り入れ口から空気が入るよう1mm弱ほど空けてあります。

 

本体の温度

このストーブは輻射対流式(前面と天板は輻射熱を出し、その他は対流して暖まった空気を背面から放出)です。

遮熱板がある左右面と背面の温度は手で触れるほど低く、長期間、低い温度の熱にさらされて起こる建築物の「低温炭化」による火災に対する安全性は非常に高いと思います。

反面、薪ストーブを囲うようにレンガなどを積み、蓄熱することで長時間の暖房効果を狙っても全く機能しません。周辺が輻射熱によって暖められませんからこれは当然ですね。

そんな理由から、炉台作りは重量がかさむレンガ積みにしなくてすみますので、25mmほどの空気層を設けた石膏ボード下地の不燃材で作れば十分です。コスト的にも労力もかからずに済みます。

 

まとめ

以前の記事でも触れましたが、鋼板製の薪ストーブの特徴である「温度の立ち上がりの早さ」は大型の鋳鉄製薪ストーブには無い手返しの良さで私の一日のうち6〜7時間程度運転という使い方にはぴったりでした。

火炉が小さく、それにあわせた短い薪を用意しなければならない事はやや面倒です。

思い付く短所はそんな所で、暖房能力、丈夫さは想像以上のものでした。

現在はピキャンオーブンは我が家には欠かせない設備となっています。

 

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