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木取り 〜倉庫を作ろう

木取り 〜倉庫を作ろう

休みの日に基礎工事を進めながら、平日はちょっとずつ木工事を進めました。 基礎工事はチビチビと進めるというよりも、まとまって作業して一気に完成するものなので、やっている最中はとても慌ただしく、呑気に作業を楽しむ等と言った優雅な事が出来ないのですが、木工事、いわゆる木の刻みは実にマイペースで出来る作業で、これがやりたいが為、セルフビルドで趣味建築を始めたといっても過言ではないでしょう。

そんな訳で、基礎工事の竣工予定日を12月上旬に設定し、年末の冬休みに「上棟」を目指して木工事を開始しました。 必要な材木を模型にて確認後、材木屋さんに発注。主な構造材が運ばれて来たのは11月中旬。年末まで一ヶ月半しかありません。。ほんとに出来るのか??という気持ちもナキニシモアラズですが、ま、やってみましょう。

材木屋さんに手刻みでやる事を伝えると、材料はなるべく柔らかいものが良いとの事。
現在主流の人工乾燥材は、窯の中で熱処理したものなので、相当にカチンコチンらしいんです。
もちろんプレカットなどはコンピュータで機械削りなので、材料は固いにこした事はないのであえてカチンコチンにしているんでしょうけど、手で削る(といってもほとんどはマルノコやカクノミです)場合はなるべく柔らかい方が良いだろうとのアドバイスを受けて、グリーン材という自然乾燥材を使います。

ほとんどの材木は大井川産の杉。5mの一本モノの梁は予算の都合上米松。土台は檜。柱はすべて4寸角(120mm)です。住宅でも3寸5分(105mm)のご時世で倉庫という名目ではあり得ないごっつい材料ですが、そもそも家の予行練習なので、主構造の材料は全て「建築予定」の住宅と同じものを使いました。
県産材の、しかも愛する大井川の材料で自分の小屋を建てるだけでもテンション上がってきます。

材木

ざ、、材木 キター!!

ざいもく2

ふむふむ

材木3

ナルホド

材木4

いーんじゃないのー!

いぅいーんじゃないのーー!!なんてったって人生で初めてウン十万円という材木を「大人買い」したんですから、ええ!テンションが上がらないわけがないでしょう!!
いよっしゃ!じゃあ一番上に乗っかってるやつから刻んでやろうじゃないの!と、行きたいところですが、一応、大工本を見てみると、まずは横架材から刻まねばなりませんとのこと。横架材ってのはその字のごとく横に掛かる材料なんで、梁や桁です。そんでもって柱や梁はその木の特性に合わせ、適材適所使わねばなりませんと。。
えー、そもそもですね、「木の特性の適材適所」などというものは素人代表の私には皆目見当がつきませね。が、親切な大工本は読めば読む程分かりにくい表現でもって読者の僕に知識を与えて下さりました。
木の特性を読み、適材適所使うというのはつまりは、将来曲がって行くで”あろう”方向を予見し、建物全体で相殺し合う方向に配置しなさい、、、と。いうことのようです。

そして、その材木が将来お曲がりになられる方向というのはすべて年輪を見れば一目瞭然とのこと!
大雑把に図説しましょう。
木の断面です。
周辺の赤い部分がより強く縮む部分です。中心に行くほど縮む力は弱くなります。

木の断面

この丸太が四角形の正角に製材されると製材される木の大きさにも寄りますが、年輪の中心が材料の心よりもどちらかにずれたりしますので、こんな感じになったりします。

すると周辺をぐるっと一周回っていた力の強い表面部分がアンバランスに取り払われて、図のように力のバランスが崩れて曲がり始めます。
曲がりのイラスト
以上。原理はとてもカンタンな訳ですが、元口(木の根元)から末口(木の先端)まで同じようにこんな断面で製材されているワケも無く、一本の木の中で中心が行ったり来たりするモノもあります。そんな時は総合的に考えてどっちに曲がりやすいのか判断しなくてはならないので、刻み始める前に木とにらめっこする時間がどんどん長くなったりします。
ま、そこは素人。考えても分からない時は、適当に配置しましょう。。

それでも、カンタンに木の癖を読める場合の方が多いので、曲がる方向が分かったらどんどん木口に配置する番付けをマジックで書いてしまいます。

基本は曲がるであろう方向に、壁や窓があるようにします。そうやって配置された木は、曲がろうとする方向に壁や窓のマグサ(窓の下地の木)などの障害物があるので、邪魔されて曲がる事が出来ずに、まっすぐで居続けるという事らしいです。

うーんナルホド。実に明快な理屈でほとほと感心しました。
ま、理屈ではそんな感じで明快なのですが、完璧に配置出来る程の材料を買えるわけではないので、基本の指針に沿って「なるべく」そうなるように配置しました。

これを用ってして木取りと言うのですが、木構造で建物を造る時はやっぱり必要な手順のように思うのですが、最近主流のプレカットなんかは全然木の方向なんて気にしないようです。
材料も人口乾燥材なのであんまり関係ないかも知れないんですけどね。

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