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薪ストーブの炉台をDIYで作ろう!

DIYで薪ストーブ本体と煙突の設置は以前ご紹介しましたが、今回は炉台です。

 

ピキャンオーブンと炉台

全部写真付きで!と言いたい所ですが、施工当時にブログで記事にする事を考えていなかったため、炉台の施工写真はなんとゼロ!な事に気が付きました。

ですので今回は当時のイメージ写真でお送り致します(´・∀・`)。

内装制限

炉台を設置する時にも建築基準法というややこしい法律が関係してきます。内装制限と呼ばれるもので、その場所に使用される内装の材料を燃え難い材料に限定するものです。

「そんなもの限定される覚えはない!俺は自由に自分の家をデザインしたいんだ〜!」っといった熱い建築情熱をお持ちの方は薪ストーブの設置場所を

「平屋に設置」または「2階建ての2階に設置」

する事でのみ、内装制限がかからず、ご所望の建築道へ突き進む事が出来ます。

「二階建ての一階に設置」する場合は、なかなかに厳しい内装制限がかかってきますので、建築基準法を遵守すると趣や風情に若干乏しいストーブまわりになってしまいますが、法律の事で愚痴を言っても仕方がない、という事でしょう。

この辺りの事を調べてみると石川県能美市のPDFが分かりやすかったです。

All Aboutの記事にも火気使用室の内装制限に関する解説があります。

これら2つの法律的な事を押えて下記の輸入代理店メトスさんが配布している機種ごとのPDFを参考にすると仕様面では確実だと思います。

 

 

二階建ての二階に設置した例

この場合が唯一、内装制限なしになりますので、自由な内装で仕上げる事が出来ます。私のケースでは二階がリビングでしたから、キッチンから薪ストーブまで、内装制限がかかる事がありませんでしたので、かなり自由に作る事が出来ました。

煙突廻りは施工例115条(平成16年9月29日国土交通省告示1168号)によるもので定められている通り、可燃物から煙突表面まで150mm以上の離隔距離を取る事だけです。

しかしながら、内装制限がかからないとしても、火を扱う場所なのは間違いないので、低温炭化による火災など、防火面も考えなければなりません。

上記、能美市PDFを例にするとルートA、B、Cの3種類の遮熱方法があり、殆どのケースでルートCの施工方法による遮熱が有用だと思います。

能美市pdf

能美市産業建設部土木課建築住宅室PDFより引用

ルートAで紹介されている計算式で試算してみると、ピキャンオーブンのような小さめのストーブであっても、周辺に1.6〜2mほどのスペースが必要でした。

薪ストーブのまわりにそれだけのスペースをとれるのは、余程大きな住宅でないと不可能です。

ルートBでは壁下地から全て難燃材で施工せねばならず、かなりのコスト高になります。

スペース的にも余裕がなく、コスト高なんてもっての他の私は、必然的にルートCによる遮熱、防火対策となります。

ルートCの遮熱対策は、ストーブ本体→遮熱板→空気層→特定不燃材料の順番で設置し、熱を遮ります。

 

背面、側面の壁を構成する

ピキャンオーブンは側面と背面に遮熱板が備えられています。この遮熱板の効果はとても良好で、背面および側面が熱くなりません。

天板が400度を越える温度で運転していても、背面、側面共には60〜80度程です。背面と側面から放射される熱は、殆どこの遮熱板で遮られていると思っても良いようです。

室内の壁を20cmほどの距離を置き、直近の壁を特定不燃材料で仕上げる事で炉台の壁を作れば防火面での不安は全く無いと思います。

メトスさんのPDFを参考に、

  • 炉台の壁高さ1300mm
  • 石膏ボード12mm下地
  • 珪藻土の左官仕上げ

としました。

薪ストーブの炉台

薪ストーブと言えばレンガ詰みの壁がポピュラーですが、レンガはとにかく重い、積むのも大変です。

例えばW90o×D900×H1300の炉台壁でしたら一般的な安いレンガを使うと189個は必要です。一個3キロほどしますから炉台壁だけでも567kgもの重量になってしまいます。1/3の重さの珪藻土レンガを使っても189kgですから軽いとはとても言えません。

それに比べて珪藻土の左官壁は20kgちょっと。めちゃめちゃ軽量です。

二階に設置するストーブの炉台は、軽量に越した事はありませんから耐震面でも有効だと思います。

レンガで壁を作る事は、防火目的の他にストーブから出る熱を「蓄熱」することで長時間の暖房効果を目的としているのですが、遮熱板を備えている薪ストーブにあっては、背面と側面が遮熱されていてたいして熱くなりませんから、この効果はあまり期待出来ないと言って良いと思います。その意味では蓄熱用にレンガを採用する必要はありませんでした。

 

天井を構成する

私のケース(二階建ての二階に設置)では内装規制がかかりませんので天井は木製のままです。

薪ストーブの天井

内装規制がかかる場合は、天井も特定不燃材料(石膏ボード、石、木毛セメント板、コンクリート、ケイカル板、等々)で仕上げる必要があります。

 

床(炉台本体)を構成する

床は一番気をつけなければならない部分だと思います。

薪ストーブにもよりますが、大半の対流式薪ストーブも下面に遮熱板が設置されているものは少ないのです。

床との距離もかなり近いので、熱が直接放射され続ける場所で、何の処置もしていないと低温炭化による火災の原因になりやすいと思います。

防火策も大事ですが、薪ストーブの120kgの重量に耐える炉台にしなくてはいけませんので、これも注意が必用です。

私が作った炉台の仕様は以下の通りです。

下から

  • 根太 米松 根太 ピッチ150mm  スパン910mm
  • 床下地 合板 12mm
  • フローリング 15mm
  • ネオマフォーム30mm(断熱材)
  • 石膏ボード 12mm
  • 磁器タイル 6mm

としました。

メトスさんのPDFによれば床の熱抵抗値R(断熱性能)はR=0.1050m2K/W以上必要です。

ネオマフォームの製造元である旭化成さんから、石膏ボードとネオマフォームの複合素材が発売されています。

熱抵抗値を見てみると石膏ボード厚さが9.5mm、ネオマフォーム30mmの場合、熱抵抗値は1.54となっています。断熱性能はこれだけあれば充分です。

 

施工方法は至って簡単です。

フローリングから上はネオマフォームと石膏ボード、磁器タイルですから合計厚さは48mm。

これより少し厚い枠(50mm以上)を用意して直接床にビスで留めます。

ネオマフォームを切って敷き詰め石膏ボードを貼り、タイル下地の完成。

タイル用接着剤を使って磁器タイルを貼り付け、目地を打って完成です。

 

まとめ

薪ストーブの炉台は設置する場所や薪ストーブ自体の違いもあって、様々な作り方や仕様が考えられます。

内装制限がかからず、法律で定められていないとしても、最低限の防火措置をとるべきですから、必然的に炉台の仕様は決まってきます。

自分の導入するストーブがどのようなものか考えると、防火に必要な壁や床の仕様が分かると思います。

炉台自体の制作難易度は低めですから誰にでも出来ます。壁も私の作ったような左官壁だとさらに簡単。レンガは重いのでちょっと大変。っといった所でしょうか?

くれぐれも防火面にはお気をつけになってチャレンジして頂きたいです。

ありがとう御座いました。

 

 

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