さて今回は実際の施工です。作業の前に板金屋さんのYさんに教えて頂いて、予備知識は万全!のはずでしたが、やっぱり実物を見て実際に作業しないと分からないことだらけですね。
カラクサなんて部材もこの時始めて見て、やっとピンと来ました。。
ではそのカラクサから行ってみましょう!
目次
からくさの取り付け
実物を屋根にあてがって初めて分かります。
「なるほど〜、こうやって留まるんだなぁ〜」とか、一通り感心した後、作業に取り掛かります。
からくさの役割
見ての通りからくさとは水切り+屋根の端っこを留める部材です。からくさの出っ張りが無いと屋根材を曲げて留める場所がありませんから、屋根的にはかなり重要な部材です。
上記に加え、からくさには屋根を正確な「四角」に整える役目もあります。
下の図のように棟から軒先の寸法を測ると手前と奥では屋根の寸法が違ったりします。つまり屋根が四角く出来ていないのです。
屋根材は棟から見て平行に貼らないといけませんから、軒先に付くからくさの「出」で調整しておきます。
念のため棟から1mずつ墨を打っておき、屋根を葺きながら平行に貼れているか、チェックしながら作業を進めます。
からくさの角の納まり
片側は四角く。
もう片側は45度に切断して。
お互いを差し込むように留めます。
角がくっつくまでコンコン叩いて入れると開かないくらいきっちり留まります。
屋根材を葺く
からくさを1周回したら早速貼り始めます。
1枚貼ったら左右の余りを切断して曲げ、からくさに留める。を延々繰り返します。
0.4mm1枚なら余裕で切れるんですが、段付きの部分は3重になっていますから1.2mm。一度に切断するのはでかいハサミでも無理でしたので、いろんな方向からはさみを入れてやっと切断。先が思いやられます。。
屋根材を加工する
Yさんから教えて頂いた切断箇所はこんなふうです。
1箇所折り曲げるだけでもこれくらいチョキチョキしなければなりません。
どの箇所もカットする理由は「曲げやすくするため」「薄く仕上げるため」です。
1枚30cm、屋根全長で7m以上あることはなるべく考えないようにし、黙々と作業を続けます。。
棟の納まり
殆どピッタリと終わる事はないのでハサミで寸法に切ります、4m以上あるのでヒィヒィ言わされる事請け合い。
90度に曲げて立ち上げますがこれも4m以上ありますので、腕筋ピクピクです。だんだん嫌になってきました。。
両側の軒から上ってきて棟ではこのように収まります。
棟の取り付け
棟下木の取り付け
屋根の端材で仮に棟の寸法の板金部品を作っておいてもらいます。
それがピッタリと合うように棟の下木をビスで留めて下地の完成。
棟を被せて横からスクリュー釘で停めて棟が完成です。
蓋をして完成
蓋を用意して、下のように曲げておきます。
最後に蓋をはめ込んで、蓋を包むように棟を曲げこんで全て終了です。
お疲れさまでした。
おわりに
そこまで大きな屋根ではありませんが、全て手作業でやらなければならず、思ったよりも大変です。
その大変さに見合った出来上がりにはなるので、満足度は高く実際にメンテナンスなしでも耐久性は優れていますので頑張った甲斐はあります。
屋根材を考え中の方は一案としてご参照下さいませ。
ありがとう御座いました。
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