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木の外壁

木の外壁

建物の外壁にはいろいろあるのですが、私の知っているところでは真っ先に浮かぶのがサイディング。後は塗り壁や木の外壁。

機能的で、由緒正しきデザイン、耐久性、一番大事なのは生命の息吹を感じる事が出来る「ミタメ」。これアウトドア自然住宅には非常に重要なのです。

現代の住宅の素材は古くならない、または古くなってもそう見えない素材が主流です。塗装の技術も昔に比べたら遥かに良くなりましたからガルバリウムの外壁などもかなり長持ちします。

だけど、古くならない素材は味が無い素材に感じます。
自分の家にしろ倉庫にしろ、建てるんだったら外壁には全部は無理だとしても部分的に木を使いたい。
しっかりと年数に応じて古びて、貫録が出て欲しい。

外壁って家の印象が素材によって大きく違うものですから、燃えなきゃ良いってものではないし、やっぱり人が住む「家」なわけで雰囲気って重要だと思うのです。

ところが、木のような可燃性の自然素材を建築に使おうとすると、法律や制限がいろいろあって建てる地域によってもずいぶん制限に差があるようですが、採用まで至らない事が多いようです。

私のところは第22条地域ってところで、防火的には一番ゆるい場所らしく、この上は準防火、防火地域となり順次規制が厳しくかかってきます。

この22条地域は「火の粉が掛かっても燃えない程度の防火」ということでした。

火の粉程度で燃えるものなんてものは、落ち葉や枯れ木以外には実際ほとんど無いので、「木の板でも貼り付けて外壁にしよう」という安易な考えでいました。

実際、建築監督所に出向いて聞いて見ると、木の外壁は22条地域にも駄目だと言われてしまいました。

現実的には火の粉程度で、ある程度の厚みがある無垢の板に火をつけようと思ってもつくはずが無いのですが、お上曰く、可燃物は全て燃える可能性があるので、燃えないと言う証明が出来なければ駄目だといいます。

くぅ〜なるほど、なかなか現実は厳しいのです。

建築基準法について愚痴をこぼしてもしようがないので、「じゃあどうやっらたら木の外壁を使えるんですか?」と問うたところ、「難燃性が証明されている材木を使うとか、土壁とかの防火構造が下地なら・・・。」

難燃性が証明されている材木ってのはようするに薬漬けにされた、処分にも困るような「科学物質浸透材木、価格は普通の板の3倍」の事であり、自然野外活動家&余分な銭は持っていない派としてはもちろん却下です。

色々調べた結果、実は防火地域でも木の外壁は可能。
これは意外でした。シロウト考えでは防火と言えば木材はご法度と思っていたのですが

壁全体の構造が、「防火構造」になっていれば一番外側に材木を張っても防火構造だそうです。

私の建築予定地は22条地域なので、延焼ライン内では1ランク下の「準防火構造」が必要でした。
ちなみに防火地域でも使える材木で、準不燃や不燃認定を個別に取っている木の建材もあるのだけど、値段がやたら高いので、却下。。

しかしながら、調べているうちに自由に木を外壁として使える道筋が見えましたので以下に記します。

国土交通省の告示の材料を使えば間違いなし。
というのも、当初は建材メーカーが個別にとっている認定(国土交通大臣認定という)を使って、準防火構造の上に杉板を張ろうと思っていたのだが、建材メーカーの取った認定は、その上にも下にも何も張ってはいけないという事でした。(´□`。)
国土交通省の告示の材料を使った構造では、表面に木を張っても準防火構造で良い、といった解釈です。

具体的には、当初の使用予定だった「ノダラスカット」は内装にグラスウールかロックウール75mmを使って4ミリ以上の板張りにして、外部は15mm以上のモルタル塗りで準防火構造になるのですが、この上に杉板を張ると、「想定外」の構造になってしまうので、この場合「不可」。

国土交通省告示の仕様は内装側は同じで、外装に準不燃材料(建設省告示第千四百一号)を使えば杉板張りは「可」だそうです。

ちなみに最初に建築した5坪小屋は外側から、杉板、透湿防水フィルム、木毛セメント板15mm、グラスウール75mm、構造用合板9mmで準防火構造の確認が下りました。
防火構造にするなら、杉板、漆喰やモルタル10mm以上、木毛セメント板、以下同じ、で防火地域にも木材を使った外壁が建築可能です。

 

5坪小屋の次に建築した「とみわみの家」は外側から杉板15ミリ、胴縁縦横30ミリ、透湿防水シート、耐力面材モイス9mm、または石膏ボード9mm、グラスウール75mm、内装下地石膏ボード12ミリの壁仕様一式で準防火地域に木の外壁による建築が可能でした。

このあたりの告示の仕様は国土交通省の告示・通達検索システム内で「延焼のおそれ」や「準防火」「準不燃」などのキーワードで検索するとよく分かります。

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