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ウッドデッキを長持ちさせる施工方法を考える

前々回、唐突に立ち上がった「DIYカーポート機能付ウッドデッキ製作」プロジェクト。自然木をこよなく愛する当サイトですから当然こちらも木で製作する予定です。

そこで立ちはだかるのが「木製デッキは腐りやすい」という周知の特性。ネットを見ていると「1年で腐った」とか「3年で崩壊」等、繰り広げられるネガキャンの数々。その反面アゲアゲされているのが「ウリン」や「イタウバ」等のハードウッド、及び長持ちの極み的存在の木粉樹脂で出来た「人工木」の商品群です。

あくまで個人的にですが、ウッドデッキと呼ぶものがプラスチックで出来ているってのがどうにもしっくり来ません。とは言え「プラスチックデッキ」なんて名称も益々気持ち悪いです。

ではイタウバ等の高耐久の輸入木を使えば良いかと言えばさにあらず。だって値段が4〜5倍ですよ!普通の木に比べて。杉板なんて30mm厚で10㎡買っても2万円ちょっとですが、ウリンやイタウバなどの輸入木は20mm厚にしても10㎡で10万円ちょっと(ウリン材)もしちゃいます。

これだけ高価だとうちでは高級品扱いです。「木」は普及品でなければいけません(^^;)

そんなわけでいつもの調子で一番身近でありお安い建築材料の「杉」に戻ってくる訳ですが、杉が雨ざらしの状態でどの程度の耐久性があるのか?を知らなければなりません。

紫外線や雨量、乾燥度合はその土地ごとに異なりますので一概には言えませんが、ここに2本の足場板が御座います。

杉の足場板

これ私の愛用品。もちろん屋外放置の上放ったらかしですので耐候性を見るには丁度良いです。

ほったらかしスペックとしては以下の通り

  • 放置場所はコンクリートの上(南面、無積雪地方)
  • 屋根無し(雨ざらし)
  • ほぼ水平の状態
  • 厚さは30mm幅300mm

これは類いまれに見る好条件のほったらかしサンプルと言えましょう。ウッドデッキは少なくとも束やら根太の構成の上に板を張っていますから、乾燥度合で言えばコンクリートの上に置いてあるのとあまり変わらなそうです。

木口が一番痛んでいるのですが腐っている部分は皆無です。4年でこれならまだまだいけそう。おそらく8~10年は大丈夫かなー(希望的観測)。

ちなみに裏返すと直接雨掛かりしていないので色はそれほどあせていませんでした。このくらいの厚さの板になると4年ちょっと経ちますがかなり丈夫だなぁという印象。

まあまあの乾燥した環境下では国産の杉と言えども簡単に腐る事は無さそうです。

何を優先するかでデッキに使う材料は変わってくると思うのですが、耐候性、経年変化の少なさが最優先であれば人工木。うちみたいな「そこいらじゅう全部木(しかも無塗装)」の家には風合いのマッチングも考慮すればやはり(安い)本物の木を使用したい訳です。

特に我が家を建築する時に掲げた大目標「ノーメンテでOK」の建築方法として取り入れた「無塗装建築」。近年の建築では塗料の性能が上がっていますから、最新の塗料で外部塗装を施す事で防水性を高めています。

しかし、防水塗装被膜のみに防水や防腐効果を頼ってしまい、納まりを工夫する事で得られる「水はけ」がなおざりにされ、塗装の寿命=建築物の寿命となってしまいます。

塗料の防水効果が切れる事による建物の損傷を避ける為には未来永劫塗装し続けなければならず、次から次へ、色んなものをDIYにて製作しなくてはならんウチみたいな環境では塗装ごときにそこまで手間や予算をかけていられっかよベラボウメ!!という短絡思考により最初っからノーガード。部材の構成によって得られる水はけ機能のみで木部の乾燥を獲得し、腐らせない様に作るしかありません。

過去に公開した記事の中で最高に最長の前置きになってしまって申し訳ありませんが(汗)ようやく本題「無塗装でどのように防水をするか?」の具体案のお話に参りましょう!

防水すべき箇所と方法

湿気にさらされた木は腐朽菌によりボロボロに腐ってしまいます。腐朽菌が活動するには必ず「水分」が必要なので原理的には乾燥さえさせておけば木は腐る事はない!と言うカンタン原理により思い付く事が「屋根を付ける」という解決方法。

ウッドデッキにおもいっきりデカイ屋根を掛ければハイ完成。となりますが、予算の都合上や日当たりの都合でそこまで大きな屋根は作れませんです。はい。

そこで防水すべき箇所を絞って部分的に屋根を掛ければ良い。つまり部材毎に板金屋根を付ける!これだ!!これで逝こう!!

で考えた防水方法は以下です。

今回のカーポートウッドデッキの構造

基本的には何の変哲も無い二階床の床組構造です。ウッドデッキっぽくはないですが大梁の上に小梁が乗って根太が303ピッチ。24mmほどの厚さの杉板をデッキ材に使っています。

基本構造ーカーポートウッドデッキ

重なり順序で言えば上から床のデッキ材→根太→小梁→大梁です。雨が降ってきた時の濡れる順番、水の通り道もほぼこの順番でしょう。

防水の為の手段3選

「水の通り道」毎に上手く屋根を付けてあげれば目的達成のはずです。具体的には以下の3つの組み合わせで防水機能を実現しましょう!

デッキ材に溝を突く

「溝を突く(溝掘り)」これ、大工さん的には小穴を突くとも言うようですが単純に板の両側に溝を掘り、水の通り道に縁を切ります。下の絵はデッキ板を横から見た図。デッキ材の隙間に入った水はそのままデッキ材の下に回ります。

溝を突いたデッキ材の場合は溝まで来た水は垂直には登れませんのでそのまま溜まって下に落ちます。

板金で受けるその1

デッキ材の次に水が掛かるのは直下の根太です。根太たちにはこのような板金帽子をこしらえて、、


おかぶり頂きましょう。デッキに施された溝により下に垂れてくる水滴はこの板金にて受け止めます。これで根太は超乾燥!

板金で受ける その2

根太に被せた板金から垂れる水はそのまま地上に落下するか直下の大梁に落ちますのでこれもこんな板金部品を製作。

同じく大梁におかぶり頂きます。これで大梁もドドドラ〜イ!

デッキ材をそのまま小梁の屋根にする

デッキ材の寸法を調整すれば小梁の直上にデッキ材を配置する事が出来ます。つまり小梁の屋根は直接その上に張ったデッキ材です。デッキ材の隙間を5mmとすると一枚のデッキ材は227mmでピッタリ。これだけ幅があると小梁の幅は120mmですから立派な屋根代わりになるのではと思ってます。

一番上のデッキ材は10年くらいで使い捨て

デッキ材はそのまま屋根代わりですから流石に何十年も持たず途中でボロボロになると思います。出来るだけ痛ませないようにするには上からビスを打たないくらいしか思い付きませんが、根太裏からビスを打てばビス自体も錆びず長持ち、イザと言う時の交換も楽だろうと思います。素材自体が柔らかい杉板ならば施工もそれほど大変では無いでしょう。

デッキ材を取り換える事を念頭に置いた設置方法にしようかと思っています。

おわりに

さてここまでウダウダと現在のアイディアを書きましたが、基礎も出来ていない現在ではまさに絵に描いた餅!!ほんとに効果があり長持ちするかは作ってからの経年劣化を観察するしかありませんので請うご期待なのです。

まぁ実際には、10年後のウッドデッキの検証よりも先にこのウェブサイトが朽ち果てている可能性の方が遥かに高い事は言わないでおきましょう!!

それでは今回は以上で終了です。妄想にお付き合い頂きましてありがとう御座いました。

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